「熱が出たけれど、どこに行けばいいの?」「コロナとインフルの区別がつかない…」
こうした不安を感じたことはありませんか?発熱や咳、喉の痛みなどの症状があるときは、通常の外来ではなく“発熱外来”の受診が推奨されます。
発熱外来とは、感染症を疑う症状のある患者さんを他の患者さんと分けて診療する専用の外来です。
この記事では、発熱外来の役割、対象となる症状、検査の流れ、受診時の注意点などをまとめて解説します。
1. 発熱外来とは?
発熱外来とは、主に感染症が疑われる発熱患者の診察・検査を行うための専用の診療枠のことです。
新型コロナウイルスの流行以降、全国の医療機関で導入が進み、一般外来と動線を分けて対応する体制が整えられました。
発熱外来で対応する主な症状
- 発熱(37.5度以上)
- 喉の痛み・腫れ
- 咳・鼻水・痰
- 倦怠感(体のだるさ)
- 味覚・嗅覚の異常
- 頭痛・関節痛などの感冒症状
2. 発熱外来を受診すべきタイミング
「ちょっとした熱だから様子を見ようかな…」と思う方も多いですが、以下のような場合には、できるだけ早めの受診が必要です。
発熱外来の受診が推奨されるケース
- 38度以上の発熱が続く
- 同居家族に感染症患者がいる
- 職場や学校で感染が流行している
- 高齢者・基礎疾患がある方
- 子どもや妊婦で症状が急激に悪化する場合
※特に高齢者や糖尿病・心疾患などの基礎疾患がある方は、重症化リスクが高いため、早期受診が重要です。
3. 発熱外来で行われる検査と治療
■ 診察の流れ
- 電話やWEBで事前予約(飛び込み不可の場合あり)
- 指定の時間に来院(車内待機や別入り口の案内も)
- 問診・診察
- 必要に応じて検査
- 結果説明と処方
■ 実施される主な検査
- 新型コロナウイルス抗原検査(5〜15分)
- インフルエンザ迅速検査
- 溶連菌検査(喉の細菌)
- 血液検査・胸部レントゲン(重症例や肺炎が疑われる場合)
※症状や流行状況により検査内容は変わります。
また、コロナとインフルの同時流行時には同時検査キットを導入している施設も増えています。
4. 発熱外来のよくある質問(Q&A)
Q1:普通の内科に行ってはいけないの?
→ 原則として、発熱や咳がある場合は発熱外来を案内されることが多いです。他の患者との感染リスクを避けるため、一般外来との導線分離が必要とされています。
Q2:検査は必ず受けなければならない?
→ 医師の判断により、症状や経過に応じて検査が行われます。すべての患者に強制されるわけではありません。
Q3:自己検査(市販のキット)で陰性なら行かなくていい?
→ 市販の抗原検査は感度が低いため、正確な診断には医療機関での検査が推奨されます。特に症状が強い場合や家族内感染が疑われる場合は、迷わず受診しましょう。
5. 受診前に準備しておくべきこと
発熱外来をスムーズに受診するために、以下の準備をしておくと安心です。
- 体温を測定し、いつから何度の熱が出ているか記録
- 咳・喉の痛み・鼻水などの症状の有無をメモ
- これまでに使った市販薬や検査キットの結果
- 保険証・医療証の持参
- 移動は公共交通機関ではなく自家用車または徒歩推奨
また、付き添いは原則1人までに制限されることもあるため、受診先の方針を事前に確認しましょう。
6. 子どもや高齢者の発熱時の注意点
■ 子どもの場合
- 生後3ヶ月未満で38℃以上の発熱があるときは、すぐに医療機関へ
- けいれん・意識障害・水分が取れないなどの症状がある場合は、救急対応が必要
■ 高齢者の場合
- 高熱が出にくいが、倦怠感や息切れ、ぼんやりするなどの症状があるときは要注意
- コロナや肺炎の初期症状を見逃さないように
7. 発熱外来のある医療機関の探し方
発熱外来はすべてのクリニックにあるわけではありません。以下の方法で探すのがおすすめです:
- 市区町村のホームページ(一覧掲載あり)
- かかりつけ医に電話相談
- Googleで「〇〇市 発熱外来」「発熱外来 近く」などで検索
- コロナ相談窓口・発熱相談センターに連絡
予約の有無、受付時間、検査内容(コロナ対応の有無)を事前に確認しておくと安心です。
8. 発熱外来と医療体制のこれから
感染症の流行が続く中、発熱外来は医療機関の負担が大きく、限られた体制で運営されていることが少なくありません。
そのため、私たちにも以下のような協力が求められています:
- 事前予約や指示を守る
- マスク着用・検温の徹底
- 無断キャンセルをしない
- 感染拡大防止への理解を持つ
こうした意識が、限られた医療リソースを守り、自分自身や大切な人を守ることにもつながります。
まとめ
発熱外来は、感染症対策として現代医療に欠かせない存在です。
「どこに行けばいいかわからない」「受診をためらっている」そんなときこそ、以下のことを思い出してください。
- 発熱や咳があるときは、まず“発熱外来”を探す
- 受診前に電話またはWEBで確認・予約
- 医師の判断を信じて、必要な検査と治療を受ける
- 自分も周囲も守るための行動をとる
「ただの風邪」と自己判断するのではなく、正しい診療ルートを選ぶことが、命を守る選択につながります。