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【循環器内科の基礎知識】動悸・息切れ・胸の痛みは“心臓からのサイン”かも?

「胸がドキドキする」「階段を上るとすぐ息が切れる」「胸が痛くなるときがある」――
それ、心臓や血管に異常が起きているサインかもしれません。

循環器内科は、心臓・血管・血圧の異常など“血の流れ”に関わる病気を専門に診る診療科です。
命にかかわる病気が隠れている可能性もあるため、症状があるときは早めの受診が大切です。

この記事では、循環器内科で扱う病気や検査・治療方法、受診の目安をわかりやすく解説します。


目次

1. 循環器内科とは?どんな症状を診る科?

循環器内科は、以下のような症状があるときに受診する診療科です。

■ こんな症状があるときに相談を

  • 動悸(脈が速い・飛ぶ)
  • 息切れ(安静時にも苦しい)
  • 胸痛(締めつけるような痛み)
  • 手足のむくみ
  • めまい・立ちくらみ・失神
  • 高血圧・不整脈を指摘された
  • 健診で心電図異常や心拡大が見つかった

これらの症状は、心臓のポンプ機能や血流の異常が原因になっている可能性があります。


2. 主な循環器疾患とその症状

【症状①】胸が痛い・締めつけられるよう

考えられる病気:

  • 狭心症:心臓の血管(冠動脈)が一時的に狭くなる。運動やストレスで誘発
  • 心筋梗塞:冠動脈が完全に詰まって心筋が壊死。早期治療が命を左右する
  • 心膜炎・大動脈解離:胸痛が強く、呼吸や体勢で変化する

※激しい胸痛は救急外来レベルの緊急対応が必要なこともあります。


【症状②】動悸・脈が乱れる

考えられる病気:

  • 不整脈(期外収縮・心房細動など)
  • 頻脈性不整脈(脈が速くなる)
  • 徐脈性不整脈(脈が遅くなる)

脈が不規則だったり、胸がドキドキしたり、めまいを伴う場合は要注意。
特に心房細動は脳梗塞の原因になることもあり、適切な診断と治療が不可欠です。


【症状③】息切れ・疲れやすい・むくみがある

考えられる病気:

  • 心不全:心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れない状態
  • 弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症など):心臓の弁がうまく働かず、血流に逆流が起きる
  • 肺高血圧症:肺動脈の血圧が高まり、息切れや失神を起こすことも

これらは加齢・高血圧・糖尿病などとも関連があり、複合的な管理が必要になります。


3. 循環器内科で行われる検査

検査名内容
心電図脈のリズム・不整脈・虚血の兆候を確認
ホルター心電図24時間の心電図を記録して不整脈を発見
心エコー検査(心臓超音波)心臓の形・動き・弁の状態をリアルタイムに観察
レントゲン(胸部X線)心拡大や肺うっ血の有無を確認
血液検査心筋ダメージ(BNP・トロポニン)、貧血、電解質バランスなど
運動負荷試験運動時に心臓がどれだけ耐えられるかを調べる

4. 治療法の基本

循環器疾患の治療は、薬物療法・生活習慣改善・手術的治療が柱となります。

■ 薬物療法

  • 高血圧薬(ARB、Ca拮抗薬など)
  • 抗不整脈薬
  • 利尿薬(心不全のむくみ改善)
  • 抗凝固薬(血栓予防)

■ 生活習慣の見直し

  • 減塩(1日6g未満)
  • 適度な運動と禁煙
  • 体重管理・節酒

■ カテーテル治療・ペースメーカー

  • 心筋梗塞や狭心症に対するステント留置
  • 徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込み
  • 重症心不全に対するCRT(両室ペーシング)治療

5. 受診の目安と注意点

以下のような場合は、循環器内科の早期受診をおすすめします。

  • 胸の圧迫感や締めつけ感がある
  • 階段や坂で息切れがするようになった
  • 急に動悸を感じることが増えた
  • 血圧が高い状態が続いている
  • むくみ・だるさが続いている

特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方は、心臓への負担が増えている可能性があるため要注意です。


まとめ:心臓と血管のサインを見逃さない

心臓や血管のトラブルは、「突然の発作」「突然の失神」「突然の死」につながることもあります。
しかし、ほとんどの循環器疾患は早期発見・治療により十分に管理・予防が可能
です。

  • 胸の違和感がある
  • 脈がおかしいと感じる
  • 息切れが日常生活に支障をきたしている

そんなときは、迷わず循環器内科へ。一度の検査で安心を得られるかもしれません。

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