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【三大生活習慣病】高血圧・糖尿病・脂質異常症を正しく理解して、将来の健康を守る

あなたの健康診断の結果に「血圧が高めです」「血糖値が基準値を超えています」「LDLコレステロールが高いですね」といった指摘はありませんでしたか?

これらはすべて、生活習慣病のサインです。特に「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」の3つは、“沈黙の病”とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こす原因にもなります。

この記事では、それぞれの病気の特徴や原因、治療・予防法まで詳しく解説し、「なぜ放置してはいけないのか」「どうすれば悪化を防げるのか」をわかりやすくお伝えします。


目次

1. 高血圧とは? ― そのままにすると“血管が壊れる”

■ 高血圧の定義と原因

高血圧とは、血管にかかる圧力が常に高い状態のことを言います。
基準値は以下の通りです:

  • 正常血圧:収縮期<120mmHg、拡張期<80mmHg
  • 高血圧:収縮期≧140mmHg または 拡張期≧90mmHg

主な原因は以下の通りです:

  • 塩分の摂りすぎ
  • ストレス・睡眠不足
  • 運動不足・肥満
  • 遺伝的要因

■ 高血圧が引き起こす合併症

高血圧が続くと、血管の内壁がダメージを受け、次のような重大な疾患のリスクが高まります。

  • 脳出血・脳梗塞(脳卒中)
  • 心筋梗塞・心不全
  • 腎不全(人工透析の原因になることも)

■ 治療と予防法

  • 減塩(1日6g未満を目安に)
  • 適度な有酸素運動(週3回以上)
  • 内服薬(カルシウム拮抗薬、ARBなど)

2. 糖尿病とは? ― 血糖値の異常が全身に悪影響を及ぼす

■ 糖尿病の定義と原因

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続く病気です。主なタイプは以下の2つです:

  • 1型糖尿病:自己免疫によるインスリン分泌の欠如(若年発症が多い)
  • 2型糖尿病:生活習慣の乱れによるインスリン抵抗性(日本人のほとんどがこれ)

診断基準としては、次のような数値が用いられます:

  • 空腹時血糖値≧126mg/dL
  • HbA1c≧6.5%

■ 合併症の恐ろしさ

糖尿病の怖さは、合併症にあります。特に「3大合併症」は要注意です。

  • 網膜症(失明の原因に)
  • 腎症(人工透析が必要になることも)
  • 神経障害(足先のしびれ・潰瘍)

さらに、動脈硬化の進行により、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。

■ 治療と予防法

  • 食事療法(炭水化物と脂質を抑える)
  • 運動療法(インスリン感受性を改善)
  • 薬物療法(メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬 など)

3. 脂質異常症とは? ― 気づかぬうちに血管を蝕むサイレントキラー

■ 脂質異常症の定義

血中の脂質バランスが崩れた状態を脂質異常症と呼びます。以下のいずれかに該当すると診断されます:

  • LDLコレステロール(悪玉)≧140mg/dL
  • HDLコレステロール(善玉)<40mg/dL
  • 中性脂肪≧150mg/dL

■ 主な原因

  • 脂質の多い食事
  • 運動不足
  • アルコールの過剰摂取
  • 肥満や遺伝

■ 動脈硬化との関係

脂質異常症は動脈硬化の最大の要因とされており、進行すると以下の病気のリスクが急増します:

  • 狭心症・心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 閉塞性動脈硬化症(足の血管が詰まる)

■ 治療と予防法

  • 食事療法(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の制限)
  • 運動習慣の定着
  • 薬物療法(スタチン系、フィブラート系)

4. 三大生活習慣病に共通する「見逃しがちな危険信号」

3つの病気には共通点があります。それは**「症状がないのに進行する」という特徴**です。

  • 健診結果を軽視してしまう
  • 「まだ大丈夫」と受診を先延ばしにする
  • 薬を自己判断でやめてしまう

これらが悪化を招き、取り返しのつかない事態になるケースが少なくありません。


5. 予防と管理のためにできること

三大生活習慣病を防ぐために、今すぐ始められることは次の5つです:

  1. 年1回の健康診断を必ず受ける
  2. 健診結果を放置しない(「要再検査」は必ず対応)
  3. 1日30分のウォーキングを習慣に
  4. 野菜中心の和食に切り替える
  5. かかりつけ医を持つ

6. まとめ ― 将来の自分を守るのは“今”の行動

高血圧、糖尿病、脂質異常症は、どれも放置すると命に関わる病気へとつながります。

しかし裏を返せば、早期発見と日々の習慣改善によって、十分にコントロール可能な病気でもあります。

「まだ症状がないから大丈夫」と思わずに、健診や診察を通じて、自分の身体と向き合う時間をつくってみませんか?

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